2016年10月1日土曜日

基本構想に関する当会の提出した意見書


境浄水場の大規模開発基本構想について、下記のとおり要望します。


1.周辺住宅街との調和ある施設整備

・現状、境浄水場北側(井の頭通り側)の歩道部分の幅員が狭く、ランニング等で健康増進を図る都民ランナーと一般歩行者等のすれ違い等において、安全面の支障が生じている。また、車椅子やベビーカー等で浄水場周辺を散策する都民の安全な通行を確保する上でも、現行の幅員は狭小(すれ違いのみならず、追い越される場合でも幅員が狭小)で危険あり、今般、大規模事業を実施する東京都水道局は、井の頭通りを管理する東京都建設局と適切に連携し、都民ファーストの発想で周辺住宅街との調和ある周辺施設の整備を図られたい。具体的には、浄水場北側(井の頭通り側)の歩道部分の幅員拡張に資する敷地供用を要望する(尚、建築計画に影響を及ぼす可能性のある道路境界線自体の変更は求めないものとする)。



2.外観

・ 住民説明会で提示された外観案(3案)については、武蔵野市の閑静な第一種低層住居専用地域に相応しいとは言い難い巨大なコンクリート建造物として、威圧感を強く印象付けるものである。また、レンガ色は先進的な高度浄水をイメージさせるものではなく、21世紀の現代に建築する巨大建造物として、時代錯誤の陳腐化したデザインとも映る(例えば、世界遺産に指定された明治時代のレンガ造の建築物は、当時の技術の粋を結集し、デザイン・築造されたものであるからこそ、100年を経た現代においても世界的な価値が認められるものである)。

・ 今般、建設される浄水施設は、全長740mにも渡る巨大建築物となることから、次世代にも歓迎されて受け継がれるべく、外観のデザインについては専門家等から公募を実施するなど、デザインや意匠に造詣のある専門的な知見を結集することを要望する(少なくとも建物の角に丸みを持たせるなど、威圧感の低減を図られたい)

(イメージ)角の丸い外観で威圧感を低減 (上:福生市役所、下:イタリアEx Ducati)





3.地域交流・啓蒙施設の併設

・ 地域市民が長年守ってきた地域の都市計画・地区計画を変更(緩和)させてまで、第一種低層住居専用地域の中に巨大浄水施設を建設するに当たり、東京都水道局は当該施設の意義や役割、浄水技術等について、地域市民に対する啓蒙の場を積極的に設けるべきである。
都内の小中学生の見学を受け入れたり、地域市民に水道事業の歴史や施設の機能等を啓蒙する地域交流施設を併設することを要望する(玉川上水の歴史を踏まえる上でも、最適な立地である)。尚、水道局の説明する“テロ対策”は、施設内に隔壁等のセキュリティラインを設けることで十分対応可能と思料される。また、巨大な公共施設として、主体的に必要十分な情報公開に努めるべきである。


(イメージ)地域に開かれた交流・啓蒙スペースを確保(写真はスロベニアMestni muzej Ljubljana)
     





2016年9月28日